パッチテストパネル検査~かぶれの検査 について
2015年11月03日
当院では、「かぶれ」の検査が分かるパッチテストパネル検査というアレルギーの検査を行っています。
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が示しているジャパニーズスタンダードアレルゲンが、入っています。
22種のアレルギーになりやすいアレルゲンが一気に分かる検査です。
なお、従来の金属アレルギー検査もやっています。金属アレルギー検査については、こちらをご覧ください。
パッチテストで調べられる項目
金属
①ニッケル ②コバルト ③クロム ④金
★接触による金属アレルギーについて→こちら
ゴム
⑤カルバミックス ⑥黒色ゴムミックス ⑦メルカプトベンゾチアゾール ⑧メルカプトミックス ⑨チラウムミックス
市販薬、局所麻酔薬
⑩カインミックス・・市販薬ではキーとなる成分です。市販のかゆみ止めに入っていることが多く、市販薬でかぶれる場合は調べたい成分です。
抗生物質
⑪フラジオマイシン・・眼軟膏のリンデロンA軟膏やネオメドロールEE軟膏に入っています(当院では処方していません。)その他、クロマイPにも入っています。なお、フラジオマイシンにかぶれる方は硫酸ゲンタマイシンにも交叉性といってかぶれやすいといわれています。リンデロンVG軟膏にも硫酸ゲンタマイシンが入っていますので注意です。
化粧品
⑫ペルーバルサム・・香料として使われます。マメ科の樹木からえられる樹脂です。アロマオイルでかぶれた場合に注意です。
⑬パラフェニルレンジアミン・・毛染めの成分で有名です。植物性染料の「ヘナ」と呼ばれるヘアダイやヘナタトゥにも含有されていることがあります。
⑭香料ミックス・・香料でのアレルギーが調べられます。
⑮ラノリンアルコール・・化粧品のクリームや乳液、外用薬に入っています。乳化安定剤や結合剤として含まれるためよく使われています。
防腐剤~化粧品に入っている場合もあります
⑯パラベンミックス・・食品や化粧品、外用剤に幅広く使用されています。
⑰イソチアゾリノンミックス・・ケーソンCGとほぼ同等です。海外の化粧品には防腐剤として使用されています。日本の化粧品には入っていませんが、洗い流すタイプのシャンプー・リンスには入っています。工業用殺菌防腐剤にも使われます。冷却ジェル寝具、冷感タオルのアレルギーの事例があります。
⑱チメサロール・・殺菌作用のある水銀化合物。化粧品やワクチンの防腐剤として使用される(ワクチンへの添加は減っている)。チメサロール陽性の場合は解熱・鎮痛薬のピロキシカムに過敏症を起こすことがあり注意します。
⑲ホルムアルデヒド・・防腐剤、接着剤、塗料として使用されます。建材にも使用され空気中に放出されることがあります。衣類の仕上げ材にも入っており、新品の服を着た時にかぶれます(洗浄すると少なくなる)
樹脂~接着剤
⑳ロジン・・松脂(まつやに)
㉑p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
㉒エポキシ樹脂
パッチテストパネルのインフォメーション
・最低でも3回は来院の必要があります(初診料・再診料も必要です。)。一度受診をしていただき、必要性を判断し、その際に実施日を決める必要があります(当日はできないこともあります)。背中で検査するため、背中に湿疹がある人はできません。
・セット検査になります。一部の項目だけ検査することはできません。
・3割負担で約6000円は必要と思ってください(初診料・再診料なども含めて)。