イネ科アレルギーと果物アレルギーの話題
2015年06月13日
春のアレルギーの代表格はスギ、ヒノキが有名ですが、夏にも花粉症があります。
イネ科の植物では、スギ・ヒノキ花粉症と同じような鼻の症状、目の症状に加え、皮膚のかゆみなど全身症状が出やすいことが特徴です。
意外と症状が強く出る人もいます。皮膚科的には花粉皮膚炎の原因にもなります。
主なイネ科の原因植物はカモガヤです。その他、オオアワガエリもあります。(写真はカモガヤ)
どちらも花粉の飛散時期は5~8月ですから、夏です。
牧草として栽培され、道端や河川敷にも生息します。
さて、果物を食べてくちびるやのどの奥にかゆみや違和感を感じたことはありませんか?このような口腔粘膜の接触蕁麻疹を含んだ即時型食物アレルギーを口腔アレルギー症候群(OAS)と呼びます。
実は、このOAS、花粉のアレルギーと合併します。共通のアレルギー成分の蛋白質をもっているためといわれています。
OASというと春の花粉であるハンノキやオオヤシャブシが有名ですが、カモガヤにもあります。カモガヤに関係する果物は、メロン・スイカ・キウイです。血液検査(IgE)や新鮮な果物を利用したプリック検査によって詳しく分かります。
OASの治療ですが、現在のところ除去食が適切とされています。症状が出現しているにもかかわらず繰り返し食べ続け重症化した報告もあるので注意が必要です。
(院長記載)