アレルギーシリーズ②~動物刺傷から生じる食物アレルギーの話題

2020年10月22日

アレルギーの面白い話題をピックアップするシリーズの第2弾です。今回は、動物に刺されることで特有のアレルギーを誘発するというトピックスです。

 

食物アレルギーになる原因として、今 経皮感作(けいひかんさ)が注目されています。

経皮感作とは。皮膚についたものが原因で次第にアレルギーになっていくということです。

 

そのままであれば分かりやすいのですが、交差反応(こうさはんのう)といって、似た感作抗原を含む食物にアレルギーを獲得してしまい、意外なアレルギーをもってしまうことがしばしば起こります。それが、食物からではなく、なんと・・・動物からもらうこともあり、それが意外な食物アレルギーを生じる例があることが分かってきました。

 

例えば・・・・

マダニに刺されることを頻回に繰り返しているうちに、獣肉アレルギーになりやすくなる。(α―Gal アレルギー)

マダニ

 

 

 

クラゲに刺されることを頻回に繰り返いしているうちに、納豆アレルギーになりやすくなる。(ポリ-γ-グルタミン酸アレルギー)

 

 

ということが分かってきました。

 

なんかアレルギーって不思議ですね。。。

しかも変わったことに、この食物アレルギーは摂取してから症状発現までに時間がかかるということです。獣肉アレルギーは症状発現までに3~6時間、納豆アレルギーは症状発現までに5~13時間と遅いんでんす。そこも変わっていますね。。。

 

注意してほしいのは、経皮感作は一つのアレルギーの誘発の仕方に過ぎないと考えてください。。全てではありません。

なお、現在、マダニ、クラゲ、納豆についてのアレルギーは血液検査では分かりません(※保険適応ではないので当院では調べられません。)

 

今回は変わったアレルギーのお話でした。また、面白い話題を書いていきたいと思います。

 

(関連項目)

マダニに咬まれたら切開除去・洗浄が必要です。

 

(アレルギーシリーズ)

アレルギーシリーズ①~ 果物・野菜と花粉アレルギーの意外な関係(口腔アレルギーについて)

 

(2020年10月22日更新)