花粉皮膚炎(花粉による顔の肌あれ)について
2024年03月12日
★静岡市駿河区「いのうえ皮ふ科」の 花粉皮膚炎 のページです★
今回は、花粉症による肌荒れについての話題です。
花粉症というと、鼻と目の症状というイメージが強いですが、実は皮膚にも症状が出ることはご存知でしょうか。特に鼻炎がなくても皮膚炎だけ起こすことも多いので要注意です。
スギが原因の場合はスギ花粉皮膚炎とでもいいますでしょうか。正式な病名はないと思いますが、一つの病気と考えても良いくらい頻度が多いです。目の周囲を中心にかゆみを伴って赤い発疹が出るのが特徴です。ひどくなると目の周囲以外にも拡大し頬や首にも症状がでることがあります。
アレルギー性結膜炎を合併する方も多いです。当院では抗アレルギーの点眼薬を処方しています(重症の方は眼科受診を指導します)。
タイミングですが、風が強い晴れた日の後で、なぜか雨が降ったりしたときなどに症状が出やすいらしいです。
さて、これらの症状を起こすのはほとんどが若い女性というデータがあります。その一因として、化粧、シャンプーなど過度の皮膚の洗浄が乾燥肌となり、皮膚バリア機能が低下してアレルゲンの接触による皮膚炎を起こしやすくなるからといわれています。
花粉症の女性にアンケート調査を行った結果、花粉症の時期に肌荒れで悩んでいる方が約9割の人がこの症状をもっているという報告もありますので、結構多いと思います。
実はこの湿疹、鑑別すべき重要な病気があります。その一つがヘルペス(単純ヘルペスウイルス感染症)です。ヘルペスというと口唇のイメージが強いですが、目の周りにできることがありますので注意しないといけません。診断・治療も含めて皮膚科専門医に早めの受診をおすすめします。
対策は?
対策をまとめました。
・マスク、マフラー、メガネなどでスギ花粉が直接皮膚に接触しないようにすること
・外出後はシャワーなどでよく顔・頚部・頭を洗いスギ花粉を除去すること
・洗浄後は乾燥するのでしっかり保湿剤でスキンケアをすること
治療は?
治療はステロイド外用や抗ヒスタミン薬内服でしっかりおさえます。
花粉以外の原因
同様な症状が出た場合で、花粉以外が原因となることもあるのでしょうか。重要度の高い例をあげてみました。
・ペット関連のアレルギー
ペットを飼っている方で目の周囲に湿疹を繰り返す場合は要注意です。この場合は、ペットのアレルギーはもちろんですが、ペットに付着するダニのアレルギーを合併している可能性もあります。特に室内で飼育している場合はさらに危険が高くなります。
(関連項目)
(2021年2月16日更新)